先日、代表を含めスタッフ数名にて、挨拶をかねて黒姫童話館へ行って参りました。
当日は猛暑の晴天でしたが、奥信濃にある黒姫高原は緑の匂いのする自然の涼やかな風に吹かれ、清涼感あふれる避暑地でした。
黒姫高原には、みよ子先生の別荘があり、黒姫伝説をもとに民話も書かれていますので、深い絆があります。
(さらに、黒姫高原は信州、信州といえば、みよ子先生の疎開先であり、師である坪田譲治先生と出会い、のちに夫婦で採訪し信濃の民話を刊行するなど、切っても切れないゆかりの地です。)
そんな場所に建っている黒姫童話館にはみよ子先生の貴重な資料も展示している、松谷みよ子コーナーがあります。他にも、近代的で綺麗な館内にグリムやアンデルセンにまつわる工夫をこらした展示や、信州の民話コーナーもあります。別館の「童話の森ギャラリー」では現在「リサとガスパール&ペネロペ展」を開催しています。
また、みよ子先生が黒姫に行くときは必ず立ち寄り、昔からお付き合いのある 元ペンションのふふはり亭にもよりました。
お茶をご馳走になり、ふふはり亭のご主人と奥様の南さんご夫妻にはお世話になりました。
みなさんも、ぜひ機会がありましたら、黒姫高原へ行ってみてくださいね。
みよ子先生の最期のことばは『戦争のことは、絶対に忘れてほしくないわね』でした。
戦争体験者でもあるみよ子先生は、数々の戦争の文学も遺しています。
8月6日によせて、改めてその数々をご紹介いたします。
みよ子先生の戦争に対する思いを感じていただきたいと思います。
『ふたりのイーダ』(講談社)★一人で歩く椅子が捜す女の子に何があったのか
『ミサコの被爆ピアノ』(講談社)★今も音を奏でる被爆ピアノのおはなし
『黒いちょう』(ポプラ社)★おひさまが心を痛めた男の子のおはなし
『まちんと』(偕成社)★広島で被爆した女の子のおはなし
『ぼうさまになったからす』(偕成社)★信州上田からからすが消えて
『とうろうながし』(偕成社)★平和への願い その思いをいつまでも
『おいでおいで』(国土社)★戦争を直に知るおはなしを胸に刻もう
一冊の本は
自分が読んでの宝物 親になっては子どもの宝物
じいちゃん ばあちゃんになった時には 孫の宝物
そうやって 語り継がれる物語の力は
心を育てる宝物
秋田は民話の処女地である。昔から文化もひらけ、鉱山、農業、漁業等に活溌な生業の歴史をもち、したがってそれぞれにまつわる民話も数多い。53篇の民話とわらべうたを収録。
― みよ子先生の思い出から ―
信濃にひきつづき 秋田の民話採訪に入る 妊娠中のため現地へは 瀬川がほとんどでかけ、、私は資料整理にあたるが、「赤神と黒神」「八郎潟の八郎」など 雄大な話におどろく また三匹のイワナを一人で食べると竜になるという発想が『龍の子太郎』(一九六〇年講談社)を生む力となる
未来社 定価2,200円+税
作品はここから多くの松谷みよ子絵本を生み出しています。その原点となる作品群。
●「赤神と黒神のけんか」
●「米福・粟福」
●「茂吉のねこ」
●「までまでふんどししめて」
他にも「明治以降のはなし」として、5作品が収められており、若き夫婦が「現代の民話」を
木下順二先生から学んだ成果を残している貴重な1冊です。
「信濃の民話」も子供たちに大人気の様子。この本も多くの子供たちに届けたいと思っています。