「採訪」で集めた昔話を作家力で話を膨らませていく作業が、「再話」です。
これは、作家力に尽きるのですが、父が母のその作家力を信じ、昔話の世界に引きずり込んで、多くの昔話の再話を「民話」として残す事が出来た事は父の偉業だと思っています。その位、貴重な作品群ですので、文化庁や宮内庁には、「日本の神話同様に日本の民衆の宝物として守って頂きたい」と願うほどです。
他にも、母が再話にせず、あえて聴いたままを纏めた「昔ばなし十二か月」や「現代民話考」も日本国中の貴重な「昔話」や「現代の話」を纏めた本だと思っています。この時代に、こうした貴重な本が、次々と絶版になっていく事を憂い、悲しんでいます。
文 瀬川たくみ