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モモちゃんとアカネちゃん

 

モモちゃんとアカネちゃん

モモちゃんとアカネちゃん
 
モモちゃんとアカネちゃんシリーズ
モモちゃんのお話は、昭和36年10月1日、福音館書店の「母の友」(通巻97号)に「3つになったモモ」として載ったのが一番最初です。翌年、童心社の『ね、おはなしよんで』の中で「3つになったモモ」と「ママになんかわかんない」が登場。また、味の素の「奥さま手帖」」には、「ちいちゃなモモちゃん」として1年間連載されます。おなじみのモモちゃん人形が表紙の単行本『ちいさいモモちゃん』(講談社刊)が出版されたのは昭和39年(1964年)ですから、半世紀続いた本になります。
 
この本は今でも小さな子供たちが、自分のおはなしと信じていたり、自分と似たモモちゃん、アカネちゃんとお友達になったり、男の子たちはプーと自分を重ね合わせたりしながら読まれ続けています。実は、「影をなめるウシオニ」が登場したり、民話がさりげなく取り入れられているのですが、後半のアカネちゃんのところでは、「学校の怪談」という現代民話が登場します。日常の出来事を描きながら、タブーであった離婚のおはなしまでも載せています。当時わからなくても、大人になってまた別の面に気がつく本として、文庫本を懐かしく楽しむ大人もいると聞きました。日常の世界に入っり込みながら、童話特有の不思議な世界にいざなってもくれる、素敵な作品群と思います。
 
さて、『モモちゃんとプー』の中の「かげをなめられたモモちゃん」ですが、『ちいさいモモちゃん』の初版本(昭和39年刊)のあとがきに父・瀬川拓男が書いている通り、実話です。この仮死状態になっているときに、私はどうやらあの世で教わってきたことがあるらしく、その後、毎晩寝る前に「おいのり」をするようになりました。不思議なことって、本当にあるんです。あの世では、「嘘」に対してとても厳しいらしいのです。そして、今の日本にこの嘘が多過ぎやしないかと、心配する日々であったりします。
 
東京五輪も決まったことですし、清く、正しく、美しい日本として、輝けるように祈ります。
                     
文 瀬川たくみ